お客様体験記大切な人を亡くした方へ

天国にいる大切な人へ——「伝えたい言葉」を綴るグリーフケアの手紙

もしも、天国にいるあの人に会えるなら、あなたは何を伝えたいですか?

「ありがとう」「ごめんね」「もう一度会いたい」——その言葉が胸の奥に溜まり、時々呼吸が詰まるような感覚になることがあります。

悲しみは時間とともに薄れていくと人は言いますが、本当はそんなに単純ではありません。

グリーフケアでは、「悲しみを消すこと」ではなく「悲しみと共に生きること」が大切だと考えられています。

それは、“もう会えない”という現実を受け止めながらも、愛は形を変えて続いているということに気づく過程です。

今回は、祖母を亡くした一人の女性の体験談を通して、“伝えたい想いを言葉にする”ことがどれほど心を癒すのかを見つめていきます。

大切な人との別れについてのSNS配信をしております。

あの日、伝えられなかった「ありがとう」

陽子さん(42歳・仮名)は、2年前に最愛の祖母を病気で亡くしました。

闘病は長く、覚悟をしていたはずなのに、別れの瞬間はあまりに突然に感じたと言います。

「祖母はずっと我慢強い人でした。

弱音を吐く姿なんて一度も見せなかった。

それなのに、私は“頑張って”ってばかり言っていたんです。

今思えば、それが父を追い詰めていたんじゃないかと、ずっと後悔していて…。」

陽子さんはその日から、祖母の写真をまっすぐ見られなくなりました。

朝の食卓も、休日の散歩道も、どこかが欠けている。

「いない」という現実が、生活のすべてに影を落としていました。

仕事中にふと手が止まり、祖母の口癖が頭に浮かぶ。

夜、静かな部屋でテレビの音を消すと、無音の中で涙がこぼれる。

“もう一度、話したい”——その想いが、胸を締め付けていました。

「書くこと」でしか届かない想いがある

ある日、陽子さんはグリーフケアの専門書で“レターセラピー”という言葉を目にしました。

亡くなった人に宛てた手紙を書くことで、心の整理をしていく心理療法です。

最初は「そんなことで何かが変わるの?」と疑いました。

でも、夜眠れなかった日、思い切って便箋を開きました。

「おばあちゃんへ。

あのとき、もっと優しくすればよかった。

仕事が忙しいなんて言い訳して、ご飯にも行けなかったね。

病院で“頑張ってね”と言ったけど、本当は“もう頑張らなくていいよ”って言いたかった。

ずっと、ごめんね。

でもね、おばあちゃん、今になって思うの。

おばあちゃんは最後まで、私を心配してくれてたんだね。

私が泣かないように、いつもの笑顔でいてくれたんだね。

ありがとう。

おばあちゃんの孫で本当に幸せでした。」

文字を書きながら、止まっていた時間が少しずつ動き出したようでした。

“書く”という行為が、心の奥に閉じ込めていた感情の蓋を開けてくれたのです。

グリーフケアの観点では、「言葉にすること」が悲嘆の回復に大きな意味を持ちます。

涙とともに流れ出る言葉の一つ一つが、心の中で“生き直し”を始めるサインなのです。

グリーフケアが教えてくれる「悲しみのプロセス」

悲しみの感情には段階があります。

心理学者エリザベス・キューブラー=ロスが提唱した「悲嘆の5段階」は、グリーフケアにおける基本概念です。

  1. 否認:「まさか、そんなはずがない」

  2. 怒り:「どうして自分だけが」「なぜあの人が」

  3. 取引:「もしあの時こうしていれば」

  4. 抑うつ:「何もする気が起きない」

  5. 受容:「現実を受け入れて前を向けるようになる」

このプロセスは直線的ではなく、行きつ戻りつしながら少しずつ心を整えていくもの。

涙する日があっても、それは“後退”ではなく“回復の途中”なのです。

グリーフケアの目的は「悲しみを消すこと」ではなく、悲しみと共に生きる力を取り戻すこと

陽子さんも、「泣くことが悪いことではない」と知った瞬間、少しだけ心が軽くなったと言います。

手紙に込めた「ありがとう」と「ごめんね」

陽子さんは、それから命日や記念日ごとに祖母へ手紙を書くようになりました。

最初は謝る言葉ばかりでしたが、徐々に“感謝”の言葉が増えていきました。

「おばあちゃん、見てる?

今日の夜ご飯は、おばあちゃんの好きだった焼き魚にしたよ。

小言を言われるのが懐かしい。

仕事が大変で泣きたくなった時、あの笑顔を思い出してる。

ありがとう、いつも見守ってくれてる気がするよ。」

その習慣が続くうちに、陽子さんの中で“祖母がいない”という感覚が少しずつ変化していきました。

「いない」のではなく、「見えないけれど、いつもそばにいる」

言葉にして届けることで、亡き人との関係が“終わり”ではなく“続いていく”ものに変わったのです。

「会いたい」と願う気持ちは自然なこと

多くの人が、「まだ会いたい」「声を聞きたい」と感じます。

でも、その気持ちを「前に進めていない自分」と責めてしまうこともあるでしょう。

けれど、グリーフケアの専門家たちはこう語ります。

「“会いたい”という気持ちは、愛が生き続けている証です。」

誰かを想う気持ちは、亡くなった瞬間に消えるわけではありません。

むしろ、会えないからこそ、より深く強くなる。

夢の中で話せたとき。

風が頬を撫でたとき。

ふと香った匂いに懐かしさを感じたとき。

それはきっと、あの人があなたに寄り添っている瞬間です。

想いを「形」にすることで心は守られる

言葉にすることが癒しになるように、“形にすること”もグリーフケアでは大切な要素です。

写真を飾る、花を供える、好きだった音楽を流す。

そして、胸元で絆を感じられる「遺骨ペンダント」を身につける方も増えています。

TOWAMOのメモリアルアクセサリーは、悲しみを閉じ込めるためのものではありません。

「想いを日常の中に共に生き続けさせる」

それがTOWAMOの願いです。

肌に触れる小さな温もりが、「今日も一緒に生きている」という安心をくれる。

涙の朝も、穏やかな夜も、その存在があなたを支える優しい手になるのです。

グリーフケアとしてのセルフケアのすすめ

心が悲しみでいっぱいのとき、何をすれば良いかわからなくなることがあります。

そんなときにできる、シンプルで効果的なグリーフケアの方法を紹介します。

1. 感情を我慢しない

涙は心の浄化。泣くことは弱さではありません。

2. 眠れない夜は呼吸を整える

深呼吸やアロマで“今この瞬間”に意識を戻す。

3. 自然に触れる

風、光、花の香り——自然は癒しの力を持っています。

4. 誰かと分かち合う

同じ経験をした人と話すことで、“ひとりじゃない”と感じられます。

5. 想いを形にする

写真、手紙、ジュエリーなど、自分に合った方法で“つながり”を保つ。

これらはすべて、“亡き人を想う時間”を大切にするためのケアです。

悲しみを否定せず、寄り添うように扱うことで、心は少しずつ回復していきます。

「伝えること」で、愛は続いていく

陽子さんは、祖母の三回忌の日に再び手紙を書きました。

「おばあちゃんへ。

あれから私は、たくさん泣いて、たくさん笑いました。

おばあちゃんがいない寂しさは消えないけれど、

おばあちゃんの言葉が、今も私を支えてくれています。

ありがとう。

また会える日まで、私らしく生きていくね。」

手紙を書き終えたあと、胸の奥に温かい光がともったように感じたそうです。

「おばあちゃんが、笑ってくれている気がした」と言います。

想いは、必ず届いている

天国にいる大切な人に、「もう一度会いたい」と願うのは自然なこと。

でもその願いは、単なる悲しみではなく、愛の証です。

そして、グリーフケアとは——

その愛を「今を生きる力」に変えていくこと。

どんな形であっても、あなたが「ありがとう」「ごめんね」「愛してる」と伝えたいと思う限り、その想いはきっと届いています。

まとめ:悲しみの中で見つける“希望”

大切な人を亡くした悲しみは、決して消えません。

けれど、その痛みの奥には、感謝と希望が静かに息づいています。

泣いていい、立ち止まっていい。

それでも少しずつ前に進もうとするあなたの姿を、天国のあの人はきっと誇りに思っています。

TOWAMOからのメッセージ

🌿 あなたの想いを、形にして寄り添うジュエリーを。

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この記事を書いた人

⚫︎中村はな⚫︎
メモリアルアドバイザー兼ライター

大切な方との思い出を形に残すお手伝いを専門とし、これまで1,000件以上のメモリアルグッズのコーディネートを手がけてきました。

ご遺族の心に寄り添った記事執筆を心がけ、メモリアルに関する執筆実績は500件以上。

グリーフケアを専門としているため、お客様の心情に配慮しながら丁寧な説明と提案が可能です。

大切な方との思い出を末永く心に刻むお手伝いをさせていただきます。