はじめに
人生には、短い出会いでも心に深く刻まれる時があります。私の娘と大叔父の2ヶ月間は、まさにそんな特別な時期でした。
最初の「会えない」という言葉の裏側
娘が生まれた時、真っ先に会いに来てほしいと思ったのは、私にとって祖父代わりだった伯父でした。しかし返ってきた返事は「仕事が忙しい」という言葉。その時は単純に残念に思っただけでした。
その言葉の裏に隠されていた真実を知ったのは、娘が2ヶ月になった頃。伯父はガンで余命わずかだったのです。私たちを心配して、その事実を伏せていてくれていたのでした。
残された時間を大切に
真実を知った私は、里帰りを延長することを決めました。毎日、小さな娘を連れて病院に通い、伯父の病室を訪れました。最期の時まで、できる限り多くの時間を共に過ごしたいと思ったのです。
たった2ヶ月の宝物
結果として、娘と伯父が過ごせた時間はたった2ヶ月。でも、その短い期間の中で、伯父は精一杯の愛情を注いでくれました。病床にいながらも、赤ちゃんの娘を見つめる伯父の目は優しさに満ちていて、その姿は今でも鮮明に覚えています。
祖父代わりの伯父
私自身、すでに祖父を亡くしていた私にとって、伯父は本当の祖父のような存在でした。だからこそ、娘にもその愛情を受け継いでほしいと願っていました。その願いは、短い時間ではありましたが、確かに叶えられたのだと思います。
おわりに
今、振り返ると、この2ヶ月間は天からの贈り物だったのかもしれません。「仕事が忙しい」と言って、最初は会うのを遠慮してくれた伯父の優しさ。そして最期の時まで、小さな命に愛情を注いでくれた温かさ。
短い時間でしたが、確かな絆が結ばれ、かけがえのない思い出となりました。いつか娘が大きくなった時、この2ヶ月間の物語を、そっと話してあげたいと思います。
天国の伯父へ
娘の誕生を、最期の喜びの一つにしてくれてありがとうございます。
きっと今も、天国から二人のことを見守っていてくれていることでしょう。
娘の成長と共に、伯父から受けた愛情を、次の世代へと繋いでいきたいと思います。