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「笑うことが副作用」―10年の闘病を笑顔で乗り越えた母からの最後の贈り物

はじめに

母が他界してから、日々母のことを思い出しては手を合わせている私。10年という長い闘病生活の中で、母から教えられた大切なことを綴りたいと思います。

病気と向き合った母の強さ

母は多系統萎縮症という難病と診断されました。しかし、その診断に屈することなく、水泳に通い、リハビリに励む日々を送っていました。病気になる前は怒るとヒステリックになることもあった母でしたが、発症後は「笑うことが副作用」と話すようになり、まるで別人のように穏やかになりました。

最期の思い出

亡くなる2日前のこと。今でも鮮明に覚えています。コンビニで買ったコーヒーを、母はゆっくりと味わっていました。胃瘻という選択肢がある中で、「食を取ったら生き甲斐がない」と自ら選択しなかった母。その時のコーヒーを飲みながら、私をじっと見つめていた母の眼差しは、今も心に焼き付いています。

伝えきれなかった想い

今になって思うのは、もう少し「ありがとう」という言葉を、口に出して伝えておけば良かったということ。たくさんの感謝の気持ちを、もっと言葉にして届けたかった―そんな思いが残っています。

現在の心境

日々、母のことを思い出しては手を合わせる生活。時には涙が出てきたり、過去の喧嘩の記憶が蘇ってきたりすることもあります。でも、夫が「きっと温かく見守っていてくれているよ」と声をかけてくれる言葉を励みに、前を向いて生きています。

おわりに

病気になってから、母は怒ることをやめ、笑顔で過ごすことを選びました。その選択は、きっと母なりの愛情表現だったのかもしれません。今、私も母のように、辛いことがあっても笑顔でいられる強さを持ちたいと思っています。

 

母との思い出を綴っていると、まだまだ書ききれない想いがあふれてきます。でも、きっと母は天国で、「そんなに悲しまないで」と言ってくれているような気がします。これからも、母から教わった「笑顔」を大切に、日々を過ごしていきたいと思います。