大切な愛犬や愛猫がお空に旅立ち、何をしていても涙が出たり、ふとした瞬間に胸が苦しくなったりしているのではないでしょうか。
ご飯を食べられなくなったり、何も手につかなくなったり、別れの瞬間がフラッシュバックしてくることもありますね。
私自身、2年前に1匹、4年前に1匹、8年前に2匹と、4匹の愛犬を見送ってきたので、ペットロスのつらい気持ちはよくわかります。
「いつまでもこのままじゃいけない」「この苦しさをどうにかしたい」と思って、乗り越え方を探している人もいるでしょう。
しかし、ペットロスは乗り越えようと思って乗り越えられるものではありません。
この記事では、ペットロスの乗り越え方について、私自身の経験を交えながらお話しします。
ペットロスの乗り越え方は?無理に乗り越えなくていい

残念ながら、ペットロスの乗り越え方に「これが正解」という答えはありません。
時間が解決すると言われることもありますが、それはペットロスが完全に消えるという意味ではなく、少しずつ向き合い方や悲しみとの距離感が変わっていくということです。
自然に一番つらい時期を乗り越えられるように、まずはペットロスについて知っておきましょう。
ペットロスは自然な心の反応

ペットロスは、大切な存在を失ったときに起こる自然な心の反応です。
愛犬や愛猫は、毎日の生活を一緒に過ごす家族のような存在ですね。
食事や散歩、声かけ、眠る時間など、日々の暮らしの中に深く関わっているため、その存在を失うと大きな喪失感が生まれます。
また、犬や猫は言葉を話せないからこそ、
「もっと早く気づけたのでは」
「もっと〇〇してあげればよかった」
「うちの子で幸せだったのかな」
といった、後悔や罪悪感、疑問が悲しみをさらに強くするのです。
悲しみの長さはひとそれぞれ

ペットロスの悲しみがどれくらい続くかは、人によって異なります。
同じように深く愛していても、すぐに日常へ戻れる人もいれば、長い時間をかけて少しずつ受け止めていく人もいます。
悲しみの感じ方や表れ方は一人ひとり違うため、「何ヶ月で落ち着く」「何年経ったら平気になる」と決められるものではありません。
また、落ち着いてきたように思えても、命日や写真、思い出の場所などをきっかけに、ふいに悲しみが強くなることもあります。
ペットロスは、時間の長さだけで測れるものではないのです。
ペットロスが長く続くのは珍しいことではない

ペットロスの乗り越え方を探している人の中には、いつまでもペットロスが続くことに不安を感じている人もいるでしょう。
「もう何ヶ月・何年も経つのに、立ち直れないのはおかしなことなのではないか」と思うこともあるかもしれません。
しかし、ペットロスが長く続くことは珍しいことではないのです。
深く愛しているからこそ苦しい

悲しみが続く期間には個人差があるように、長く続くから愛情が深い、早く落ち着いたから愛情が浅いというわけではありません。
愛犬や愛猫を深く大切に思っているからこそ、天使になったあとも心に残り続けることがあります。
一緒に過ごした時間や思い出は、いなくなったからといって消えるものではありませんよね。
だからこそ、何ヶ月、何年経ってもふと思い出したり、涙が出たりするのです。
看取れなかった人ほど強く残りやすい

ペットロスが長く続くとき、「最期にそばにいてあげられなかった」という後悔が関係していることもあるかもしれません。
過去に「INUNAVI」で行われたペットロスに関する調査では、看取ることができた人よりも、看取れなかった人のほうがペットロスやペットロス症候群の症状があるという結果になっています。
もちろん、看取れなかったからといって必ず長く続くというわけではありません。
しかし、「あのときそばにいてあげられなかった」という思いは、時間が経っても心に残りやすい後悔のひとつでしょう。
実際に私は今もペットロスです

私は、2年前に1匹、4年前に1匹、8年前に2匹の愛犬を見送りましたが、今もペットロスです。
もちろん、以前のように毎日苦しくて仕方がないわけではありません。
ただ、最初に天使になった愛犬を仕事で看取れなかった後悔は強く、8年経った今でも、帰宅してリビングのドアを開けるときはドキドキします。
また、4年前に天使になった愛犬は入院中にひとりで旅立たせてしまったことから、動物病院に行くと胸が苦しくなります。
思い出すと泣いてしまったり、いまだに4匹の動画を見ることはできませんが、悲しみの形は少しずつ変わってきました。
「もっとああすればよかった」は完全には消えません

時間が経つと、毎日泣いて過ごすような時期は少しずつ落ち着いていきます。
それでも、ふとした瞬間に「あのときこうしていれば」「もっとああすれば」と考えることがあります。
「あの日、仕事を意地でも休めばよかった」
「入院させずに家で一緒に過ごせばよかった」
「もっと早くからそばにいてあげればよかった」
こうした気持ちは完全に消えることはありません。
人は、「あのとき別の選択をしていれば」と考えてしまうことがあります。
これは心理学で「反実仮想」と言われ、起きてしまった出来事に対して「もし違う行動をしていたら」と考える心の働きです。
特に死別後には、こうした考えが悲しみや罪悪感と結びつきやすいとされています。
突然の別れや受け止めきれない悲しみに対して、心が理由や意味を探そうとするからこそ、「もっとああすればよかった」という思いが浮かぶのです。
苦しさとの距離感は変わりました

後悔が消えたわけではありませんが、時間が経つにつれて、苦しさとの距離感は少しずつ変わりました。
亡くなった直後は、思い出すこと自体がつらく、写真を見ることもできませんでした。
でも今は、思い出して泣く日があっても、ただ苦しいだけではなく、「会えてよかった」「一緒に過ごせて幸せだった」と思えます。
また、遺骨ペンダントの存在も私のペットロスとの付き合い方のひとつです。
もともとは、遺毛や歯を小さなきんちゃく袋に入れて持ち歩いていましたが、きんちゃく袋は常に身につけることができません。
そんなときに、遺骨ペンダントに出会ったのです。

私は金属アレルギーがあるので、メッキされたものや純度が低いものは身につけることができませんが、これは医療用メスにも使用されるサージカルステンなので身につけることできます。
遺骨ペンダントを身につけていると、いなくなってしまったのではなく、今も一緒にいると感じることができます。
私にとって遺骨ペンダントは、悲しみをなくすためではなく、大切な愛犬たちとのつながりを感じながら日常を過ごすためのもの。
これが、私のペットロスとの付き合い方です。
⇒私が使用している遺骨ペンダントはこちら
⇒メモリアルグッズの選び方はこちら
ペットロスの乗り越え方は「自分なりに付き合っていくこと」

ペットロスの乗り越え方に正解はありません。
いつまで悲しみが続くかは個人差があり、何が支えになるかも人によって異なります。
しかし、ペットロスは無理に乗り越えようとするのではなく、泣いたり誰かに話したり、形に残しながら付き合っていくものです。
天使になった大切な愛犬・愛猫を想うことは、立ち止まっていることではありません。
自分なりのペースで一歩一歩歩んでいってくださいね。
ペットロスがつらいときは、以下の記事も読んでみてくださいね。
参考文献
csuveterinaryhealth「moving forward after the loss of a pet」
avma「coping with the loss of a pet」
omega (westport)「the impact of continuing bonds between pet owners and their pets following the death of their pet: a systematic narrative synthesis」
「not sure where you are in your grief?」
inunavi「愛犬を亡くした約9割がペットロスを経験…。かけられて嫌な言葉や、新しいわんちゃんはお迎えする?など徹底調査【愛犬を見送った325人にアンケート】」
death stud「if only…: counterfactual thinking in bereavement」
この記事を書いた人

たかだ なつき(高田 菜月)
ペット専門ライター
ペット終活アドバイザー / 動物介護士 / メディカルトリマー / ペットフーディスト / ペット食育士1級 / ホリスティックケア・カウンセラー / 愛玩動物救命士 / ペットセーバー / CPD認定 Animal Behaviour and Psychology 修了 ほか
老犬のためのオンライン相談窓口「いぬのじかん」運営
これまで4匹の愛犬を、それぞれ異なる病気での闘病・介護の末に看取ってきました。
18歳まで寄り添った子を含め、すべて病死という現実に直面し、そのたびに「もっと何かできたのでは」という葛藤や、身を切られるような別れの痛みを経験しています。
ペットの専門家としてだけでなく、ひとりの飼い主として「その痛みを知る者」でありたい。そんな想いを込めて、あたたかな言葉を届けています。