最愛の家族であるペットを見送ったあとは、多くの人が心の整理もつかないまま火葬の日を迎えます。
小さな骨壺に収まった我が子を見て、「せめて遺骨はずっと側に置いておきたい」と思うこともあるでしょう。
でも、家に置いておくのは良くないという声を耳にしたり、世間体が気になってしまう人も珍しくありません。
霊園に納骨する?土に還す?と、正しい供養は何かと悩んでしまいがちです。
そこで今回は、ペットの遺骨を実際どうしているのか、飼い主さん3名の実例を紹介します。
大切なペットとこれからも一緒に歩んでいくためのヒントにしてください。
ペットの遺骨はどうする?まず知っておきたい考え方

まず伝えておきたいのは、ペットの遺骨の取扱いに「正解」はないということ。
ペットの供養には宗教的な決まりがないため、「こうでなければならない」というものはありません。遺骨をどうするのかは、飼い主さんの考え方次第です。
「あの子は何をしてあげたら喜ぶか」「私は遺骨をどうしたいのか」その基準で決めて問題ありません。
実際に、お別れから3年後に納骨堂へ納める方もいれば、ずっと手元に置いておくとを決めている方もいます。
結論を急ぐ必要はないので、そのときのご自身の心に従ってください。
ただし、手元供養・納骨堂・霊園・埋葬・散骨など、それぞれにメリットとデメリットがあります。
次章で詳しく解説しますので、参考にしてみてください。
ペットの遺骨の主な供養方法とそれぞれの特徴

ペットの遺骨をどうするか悩んだときは、以下のような供養方法から、ご自身の考えに合うものを選ぶと良いでしょう。
- 自宅で手元供養
- 納骨堂やペット霊園へ納骨
- 思い入れのある場所へ散骨
- 庭に埋葬する
後悔しない供養ができるように、それぞれの特徴を確認してみてください。
手元供養

手元供養は、自宅供養とも言われます。骨壺を自宅のリビングやペットがよく過ごしていた場所などに安置する方法です。
ペット用の祭壇なども販売されているので、そういったものを使う方もいます。
大切な家族が、変わらず側に居ていくれる安心感があり、一番選ばれている選択肢と言えるでしょう。
少しずつお別れを受け入れられるというメリットもあります。
また、インテリアに合うような骨壺カバーや、分骨して持ち歩ける遺骨ペンダントなど、たくさんの手元供養品が販売されているのもポイントです。
一緒に暮らしたあの頃のように、ペットとの絆を身近に感じていたい方に適した供養と言えます。
ただし、自宅で供養する際には、遺骨を衛生的に保存するための注意点もあるので覚えておきましょう。
記事後半の「ペットの遺骨を自宅に置いても大丈夫?」を確認してみてください。
また、以下の記事ではより詳しく手元供養について解説しています。
納骨堂やペット霊園に納める

遺骨をペット専用の納骨堂や霊園に預ける供養方法です。
納骨堂に納めると、お寺の住職さんや寺務所の方が、専用の場所で遺骨を管理をしてくれます。お寺の決まりによりますが、開放時間であれば好きなときにお参りにいくことが可能です。
御経をあげて供養をしてもらえるので、人と同じように供養してあげたいという方に選ばれています。
ペット霊園には住職さんはいませんが、供養に適した静かな場所で眠らせてあげたいという思いに寄り添える場所です。
どちらも、他のペットたちと一緒に眠る「合祀(ごうし)」や、個別のスペースでお参りできるタイプなどがあり、予算や希望に合わせて選ぶことができます。
費用はかかりますが、プロの手によって管理されているため、将来の管理が不安な時には選択肢にいれてみるといいでしょう。
ちなみに、遺骨を全て手放してしまうのは寂しいというときは、手元には遺骨ペンダントなどのメモリアルグッズを残して、骨壺は納骨堂を利用するという方法をあります。
散骨する

散骨とは、遺骨をパウダー状にして、海や山に撒いて自然に還すという供養方法です。
走り回るのが好きだった愛犬の遺骨をお気に入りの場所に撒いたり、愛鳥に空を自由に飛ばせてあげたかったという願いを叶えるために行う方もいます。
ただもちろん、どこにでも散骨して良いわけではありません。ペットの散骨を禁止する法律は今のところありませんが、周囲への配慮は必要です。節度をもって行いましょう。
また、遺骨を粉末にするには専用の業者に頼まなければならないため、費用がかかることを覚えておきましょう。
ちなみに、大型犬のような体が大きなペットの場合は、粉末にすることでアクセサリーやキーホルダーなどの手元供養品に収めやすくなるというメリットがあります。そのため、散骨はしないけれど粉骨をするという方も多いです。
庭に埋葬する

飼い主さんのご自宅の庭に遺骨を埋めて供養する方法です。
埋葬した場所に、墓標やシンボルツリーを植えておく方もいます。
特にシンボルツリーは、樹木が新たな命として成長していく姿に励まされる人も多いです。
また、自宅の庭という身近な場所に我が子がいるという安心感もあります。引越しの可能性がないのであれば、ずっと側にいることができる供養方法です。
ただし、野生動物に掘り返されたりしないよう、深く埋めるなど埋め方には注意しましょう。
ペットの遺骨、実際はどうしている人が多い?

私のペット業界での経験上ではありますが、多くの飼い主さんが自宅で手元供養を行っています。
また、遺骨や遺毛をキーホルダーやペンダントに入れて持ち歩いている人も多いです。
個人的な感想ではありますが、今はこういった供養が一般的になっているように感じています。
それでは、実際にペットの遺骨をどのようにしているのか、私の知人の声を紹介します。
今回話を伺ったのは、数年前に愛犬を亡くした3名です。
思い出の場所で手元供養。

愛犬の骨壷を食卓の隣の棚に置いています。長年、食事中は私の隣でいつもおやつをもらっていたので、食べるのが大好きな愛犬を想ってその場所にしました。
また、職場にも旅行もいつも一緒出かけていたので、遺骨を少し取って専用のペンダントに入れています。
外出時はそれを身につけて出かけることで、ほんの少しですが寂しさが紛れます。納骨の予定はありません。ずっと自宅で保管するつもりです。
リビングで見守ってもらっています。

これまで4頭愛犬を見送ってきました。寂しくないように、みんな一緒に並んでリビングで見守ってもらっています。将来は一緒に入れるお墓を探しています。
祖父や先代ペットと一緒にみんなが見える場所で。

祖父の写真や昔飼っていた亀の写真と並べて、みんなを見渡せる場所に骨壺を置いています。家の中心に置いてあるので、いつでも目が行く場所です。
冬は骨壺カバーをモコモコのものに変えたり、夏は涼し気なデザインのものに変えてあげたりもしています。そうすることで、気持ちが穏やかになるからです。
以前、動物病院の先生から納骨を勧められたことがありますが、お墓に一人にするのは可哀想な気がしてできません。
すぐにお参りに行けないのも悲しいし、なかなか会いに行けないと、そのうち行かなくなってしまうのではないかという気もしてしまい、自宅で供養しています。
このように、さまざまな想いのもとで、自宅で供養を続けている方が多いと感じます。
ですが、「ペットの遺骨を自宅に置いても問題はない?」と気になる方もいるでしょう。
遺骨を自宅に置くか悩んでいる方は、次章をぜひ参考にしてみてください。
ペットの遺骨を自宅に置いても大丈夫?

保管上の注意点はありますが、ペットの遺骨を自宅に置いていても問題ありません。
ここでは、ペットの遺骨を自宅に置いても問題ない理由を、衛生面・宗教・ペットロスの3つの点から解説します。
衛生面

遺骨は湿気に弱く、湿度の高い環境だとカビが生えてしまうことがあります。ですが、適切な環境で保管すれば衛生面で問題が起こることはほとんどないでしょう。
大切な遺骨を末永く保存するためには、骨壺に珪藻土などを入れ、直射日光の当たらない風通しの良い場所に安置してください。
結露が発生しやすい窓側や、湿気が多いキッチンなどを避けておくと安心です。
また、できるだけ密閉状態を維持すること大切がになります。特に陶器の骨壺の場合は、完全な密閉状態ではありません。気になるときはテープで封をしておくのもいいでしょう。
もし分骨などでどうしても骨壺を開けなければならない場合は、素手で遺骨に触れないようにしてください。
遺骨に皮脂が付着してしまうと、それを餌にカビが繁殖してしまう可能性があります。また、遺骨が崩れてしまう可能性もあるので、骨壺を開ける際は手袋をしましょう。
最近では、こうした衛生面の不安を解消するために、防水・密閉仕様の骨壺や遺骨アクセサリーも販売されています。
宗教

ペットの供養に宗教的な決まりはないので、四十九日を過ぎていても、遺骨を自宅に置いていて問題はありません。
また、亡くなったペットにとって、大好きな家族の側で声をかけ続けてもらえる環境は良い供養になると言えるのではないでしょうか。
もちろん、納骨や散骨の考えを否定するわけではありません。
ですが、もし「遺骨が自宅にあると成仏できないのでは」と考えているのであれば、宗教的な根拠がないことを心に留めておいてください。
ペットロス

ペットの遺骨が家にあると執着してしまい、ペットロスから抜け出せないと考える人もいます。ですが、実は手元供養は悲しみからの回復の助けになるという考え方が一般的です。
生前とは別の形で絆を保ち続けることで、少しずつ事実を受け入れることができ、悲しみを乗り越えることにつながると言われています。
また、遺骨を自宅に置き、お水やごはんをお供えすることは、変わってしまった日常の中で生まれた飼い主さんの新たな役割です。
愛するペットとのつながりを維持でき、心の平穏を取り戻す助けになります。
そして何より、これからもペットの側にいられる環境は、飼い主さんの孤独感を和らげてくれるはずです。
後悔しないように、自分が納得できる選択を大切に

ペットの遺骨をどうするか迷ったときは、手元供養、ペット霊園への納骨、散骨、埋葬などから検討してみましょう。
どれを選んでも間違いではないので、周りの意見よりも、ご自身の心の声に素直になって選ぶことが一番です。
私の周りでは、「いつまでも側にいたい」という思いから、多くの方が手元供養を選んでいます。
自宅にペット用仏具を揃えたり、大切な遺骨を納めて身に着けられるペンダントなどを用意することは、悲しみを受け入れる手助けになるでしょう。
骨壺に湿気を避ける対策をしていればカビの心配もほとんどいらないので、期限を設けず、心ゆくまで一緒にいてください。
もし、様々な理由から納骨や散骨を選ばなければならないときは、分骨という手段もあります。
大切なペットとの思い出を忘れず、寂しさを受け入れていけるような供養が見つかりますように…。
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この記事を書いた人

たかはし ゆきな(高橋 由紀那)
ペット専門ライター
犬の管理栄養士 / ペットフード安全管理者/ペット災害危機管理士3級 ほか
老犬のためのオンライン相談窓口「いぬのじかん」運営
何よりも大切にしてきた愛犬との別れを経験したことで、メモリアルグッズの素晴らしさを痛感しました。
「いつも一緒だった」「何をしていても思い出す」 その気持ちが本当によく分かります。
あの子を思い出したときに、涙よりも温かい気持ちになれるように。 そして、少しずつでも前を向いていけるように。
私の記事が、悲しみの中にいる皆様の心を支える一助となれば幸いです。